タイ人との婚姻手続きが難しい理由

最近、「タイの結婚手続きブローカーにタイの婚姻手続きのサポートを受けたのだが、埒があかないので依頼したい…」という問い合わせが急増しています。おそらくベテランのビザ専門行政書士ほど、タイの婚姻手続きは「面倒くさい」「失敗リスクが高い」のは、皆さん知っています。よって、積極的に関わらずサポートのみで、責任の出そうな重要な作業は、お客様に確認をお願いしたり、タイの代行業者に依頼してもらうスタンスで失敗リスクを避ける傾向があります。よって今からタイ人と結婚を考えている方がする作業として、後から後悔や頓挫をしないように、「手続きに掛かる費用」や「ネット情報の不確かさ」を婚姻手続きをスタートさせる前に把握して頂く必要があると考え執筆しました。

「日本からの結婚手続きをはじめると楽・・・」程度のインターネットで書かれている情報で婚姻手続きを行えば、必ず失敗します。もし、上手くいったら運がよかっただけです。

恐らく皆さんがタイ人婚約者と結婚を決意したときに、最初に相談に行くのは、お近くの市区町村役所でしょう。人によっては、その説明だけを聞くと、「そんなに難しいことなさそう!」と感じる方がおられるかもしれません。(簡単に説明する役所ほど、後からめんどうです) タイの婚姻手続きを詳細に確認された方は、お判りだと存じますが、タイ人配偶者様が結婚ビザを取得し、来日するまでに、日本、タイの多くの行政機関が関与します。申請する際には、タイ語の書類は、日本語翻訳、英語翻訳、日本語の書類は、英語、タイ語に翻訳と、沢山の翻訳が必要になります。勿論、その翻訳には独特の品質があり、タイ人との結婚手続き経験のある行政書士であっても判別できないと思います。

※2023年9月
最近、タイ人婚約者が、タイ語版掲示板サイトの広告で結婚手続き代行業者に依頼してのトラブル相談が急増しています。日本の行政機関に提出する書類は、行政書士などの日本の有資格者しか代行できません。日本で一緒に住むのが目的であれば、全て日本側の行政機関が審査判断を行います。よって、日本人婚約者がリスクなどを直接説明を受け納得された上で依頼されることをお勧めします。

1 婚姻に必要な書類がタイ大使館で発行されない

他の外国人との結婚と比べ、タイ人との結婚が難しい理由の一つが、東京タイ大使館や大阪・福岡タイ総領事館では、婚姻に必要となる「婚姻具備証明書」(独身証明書)や住居証明書が発行されないことが挙げられます。日本だけで結婚手続きが完結しません。中国や韓国では、在日大使館で本国の証明書が取得すること可能で、また婚姻届の提出がすることが出来ます。タイの場合は、基本的には、日本人がタイに渡航し、タイ人婚約者と一緒にタイ人の住居登録地の役場へ出向き、婚姻手続きを行う必要があります。身分行為(結婚・離婚など)をする場合は、当事者、証人2名が管轄役場に出頭し、登録官の前で陳述する形式で行います。また、タイ人婚約者が、日本に住んでいる場合は、在東京タイ大使館又は領事館で、委任状を作成してもらう必要があります。よって、タイ人配偶者が、日本に住むまでに、日本人配偶者及びタイ人配偶者は、東京か大阪、福岡に予約を取って何回も行く必要があります。遠方の方は、交通費だけでかなりの出費になるでしょう。

2 タイで発行される婚姻書類は一律でない

日本の婚姻具備証明書は、日本全国どこの市区町村で取寄せたとしても形式は同じです。また中国や韓国人との結婚手続きに必要な書類は、日本全国のほとんどの市区町村役場で原則一律です。しかし、タイの場合は、すべての役場によって形式が違うといっても過言ではありません。独身証明書(婚姻状況証明書)は、データーベースからの婚姻状況の調査と、タイ人本人と、タイ人の証人2人から聴取する形式でを作成します。すでに、皆さんもご存じの通り、日本とタイとでは、婚姻手続きにおける法律の内容が違います。よって、日本側の婚姻手続きをするときは、日本の法律に適合し、かつ提出する市区町村役場が求める「婚姻状況証明書」を作成する必要があります。そのためには、日本人婚約者様が、日本の役所とタイの役所と打ち合わせをして条文などの内容をすり合わす必要があります。ネット情報で、ただ単に「まず独身証明書をもらってください」の一文だけを見て取得すると、タイの業者にタイ外務省認証や翻訳を依頼した後に、受理されなかったので、再度、初めからやり直しになるケースが多々あります。そうなれば、1カ月以上の時間のロスと数万円の不要な出費となるでしょう。

前述した「簡単に説明する役所ほど、後からめんどうです」と言い切ったのは、訳があります。役所の担当者は、こう考えています。日本人婚約者に、いくら丁重に詳しく説明しても、チンプンカンプンで解らないです。なぜなら、タイの書類を見たことのないのですから。なので、とりあえずタイから書類を取り寄せてもらって、そこから説明する方が合理的だからです。よって、結果的にもう一度書類をタイに送り返す必要があったり、追加で資料の取り寄せ、高額なタイ外務省認証を再度取り寄せする必要があるのです。日本の役所がいくら親切でもコストのことまでは、考えてくれないのは分かると思います。

3 日本、タイ両国のたくさんの行政機関が関わる

タイ人配偶者と婚姻をすることを決めて、「日本の配偶者等」の在留資格、いわゆる「配偶者ビザ」を取得し来日するまでに、日本タイ両国で多くの行政機関に申請を行う必要があります。日本人配偶者とタイ人配偶者の婚姻手続きを困難にさせているのは、どこの役所の担当者も、結婚手続きから配偶者ビザまでの手続きの詳細をちゃんと把握していないことです。タイ語⇔日本語の意思疎通が出来ないから当然ですが、お互いの責任者同士が連絡を取り合うこともありません。ここで簡単にあげるだけでもこれだけの行政機関が関わります。

  • 日本人の住民票の市区町村役場
  • 日本人の本籍地の市区町村役場
  • 東京タイ大使館もしくは大阪・福岡タイ総領事館
  • 公証人役場
  • 日本国外務省(公印確認)
  • タイ外務省(ガルーダ認証)
  • タイ人のタビアンバーン(戸籍)の管轄役場
  • 在タイ日本大使館
  • 日本査証センター(ビザ取得時)
  • 日本人の住所地管轄の出入国在留管理局

書き出しただけでも上記の行政機関には、原則関わることになります。

独身証明書やら数枚の書類で完了と思いきや、実際は、「自分で全部やる!」など到底無理で、場当たり的に代行業者を頼むことになります。タイ語翻訳業者、タイ外務省認証業者、外国文認証代行行政書士、英語翻訳業者、ビザ専門行政書士事務所などなど、結局多くの業者を使うこととなり、また次のステップは、業者は無関係なので、自分で次の業者間の引継ぎをする必要があります。よって、必ずトラブルが発生するのが想像できるかと思います。そればかりか、第一に料金が業者数が増えるほど高くなるのは当然です。

4 タイ大使館領事館が東京・大阪・福岡にしかない

タイ大使館のホームページでは、婚姻状況証明書(独身証明書)は、日本の市区町村役場に提出する前に、大使館及び領事館の認証を受けるよう案内されています。よって、日本人は、原則、東京、大阪、福岡の在日大使館、領事館に数回出向く必要があります。タイ大使館は、平日しか開館しておらず予約制です。東京、大阪、福岡に遠い方は、交通費と時間が掛かります。

5 思いがけない追加費用がかかる

日本の役所がいくら親切でもコストのことまでは、考えてくれないのは、前述の通りです。またタイ人と日本人の婚姻手続きでは、自分ですべての手続きを行うことは、原則不可能です。結婚手続きは、自宅を購入などと同じく人生の重要イベントです。よってほとんどの方は、失敗を恐れずチャレンジなど考えず、専門家に依頼しています。ただ質の悪いタイの業者の言いなりで手続きを行えば、業者の言いなりで追加料金を何回も支払うリスクがあります。なので、絶対に日本人婚約者さまが、十分内容を理解したうえで、サポートを依頼する専門家を選んでください。一例ですが、正規に手続きを行ったとしても日本で婚姻手続きが終わり、タイの婚姻手続きを行う過程で、下記の料金が掛かります。内容については、タイ大使館のホームページに記載されています。

※高額手続きの例

・公証人役場での戸籍謄本の翻訳者認証・・・日本の婚姻手続き終了後に行う手続きです。大手認証代行事務所の相場約40,000円
信頼のできる日本語タイ語翻訳・・・1枚8,000~10,000円  5枚で4~5万円

関連記事

タイ側の婚姻手続き2023年度版👈click

まとめ

まだまだ理由はありますが、少なくともタイの婚姻手続きが難しく失敗の多い手続きであることはご理解できたかと存じます。
弊所では、タイ人法務スタッフ、タイ現地事務所と連携して、全ての手続きにおいて弊所スタッフが直接かかわり確認をしていますので、翻訳認証など高額な手続きが終わってから「失敗が発覚」といった思いがけない支出リスクを避けることができます。自分だけ全て行った方は、たまたま上手くいったか、今は分からないだけで瑕疵が潜んでいる可能性があります。また、時間ロスを含め、総経費で弊所の代行サービスを受けるよりも高額になるのは確実です。

弊所代行サービスでは、日本人がタイにもタイ大使館(東京・大阪・福岡)に行かなくても一律料金で手続きが終了します。

婚姻手続きがお済でない方はこちら

 

お問合せ(全国対応)

まずは「お問合せフォーム」⇐click にてお問合せください。タイ人との結婚問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

TEL;050-3746-8124
ご対応時間;365日10:00~22:00

おすすめの記事